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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻2号

1989年02月発行

医療ガイドライン

高度先進医療(2)頭頸部癌の温熱療法

著者: 中間昌博1 森田守2 菅原正1

所属機関: 1自治医科大学放射線医学教室 2自治医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.153 - P.158

文献概要

I.はじめに
 今日,さまざまな基礎的研究,臨床結果などから癌治療における温熱療法の有用性は疑いのないものとなっている。しかし温熱療法単独による治療効果には限界があり,その生物学的利点などから,現在ではほとんどの施設で放射線治療を主に併用療法が行われている。すなわち温熱には,①有酸素細胞より低酸素細胞のほうが熱に対する感受性が高い。②細胞周期でS期の細胞が熱感受性が高い。③放射線による細胞の障害一亜致死障害sublethal damageや潜在致死障害potential lethaldamage—からの回復を阻害する,などの特徴をもち’放射線治療との併用効果を示唆する研究成果を基盤としている。また臨床面でもそれを実証する多くの報告がみられている。
 近年,加温装置,加温技術の進歩も相俟って,温熱療法は癌の治療法の一つとして急激な発展を遂げてきている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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