文献詳細
原著
早期聴神経腫瘍の検討—初発症状と温度性眼振検査,ABR所見について
著者: 五十嵐秀一1 小出千秋1 猪股茂樹1 北村哲也1 中野雄一1
所属機関: 1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.181 - P.185
文献概要
最近の画像診断法の発達により神経耳科学的検査では確定診断のつかない早期聴神経腫瘍が容易に診断できるようになってきた。とくにair CTcisternography (air CTC)とtarget imagingを併用することにより診断確率はほぼ100%といえる。一方画像診断で早期聴神経腫瘍と確定診断された症例の神経耳科学的所見を検討すると,温度性眼振検査での半規管麻痺(CP)やABRの陽性率は従来述べられているほど高率ではないように思われる。今回われわれは早期聴神経腫瘍の神経耳科学的所見と初発症状について検討を加えたので報告する。
掲載誌情報