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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻3号

1989年03月発行

原著

低音障害型突発性難聴の臨床所見とその発症原因に対する一考察

著者: 吉川みゆき1 阿部登1 大山孜郎1 志多英佐1 志多享1

所属機関: 1洛東耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.187 - P.194

文献概要

I.はじめに
 最近,発症が突発的でその聴力障害が低音部に限られしかも障害度が比較的軽い一側性急性感音難聴症例が発表されるようになってきた1,2)。これら低音障害型突発性難聴ともいうべき症例群は聴力障害度が大きいいわゆる突発性難聴とは異質なものとされ,その発症頻度はこれまで二次・三次医療機関から報告されてきた症例数からみて比較的稀な疾患として把えられていると思われる1,3,4)
 この理由としては,自覚症状が耳鳴や耳閉感を主とし難聴を訴えることが少なく,また難聴の訴えがあったとしてもその程度が軽く重症感がないため,患者のほとんどすべてが一次医療機関を受診しており,しかもその聴力像が低音部に気骨導差を示す場合伝音難聴を否定し難いために,その多くが中耳カタルあるいは耳管狭窄症として処理されてきたことに由来するのではないかと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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