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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻3号

1989年03月発行

原著

術後性上顎嚢胞におけるオルソパントモグラフィーの有用性

著者: 加瀬康弘1 飯沼壽孝1 大庭健2

所属機関: 1東京大学医学部付属病院分院耳鼻咽喉科 2九州歯科大学放射線科

ページ範囲:P.195 - P.199

文献概要

I.はじめに
 術後性上顎嚢胞の診断には画像診断が必須であるが,従来からの単純X線撮影法ではWaters法が有用1)である。しかし術後上顎洞の複雑な治癒機転と嚢胞の多様な局在性など2,3)のため,Waters法での嚢胞の質的診断,部位診断などは不十分であり,とくに上顎洞底部の読影は容易でなく4,5),上顎洞後壁の読影は困難である。したがって大多数の症例においては普通X線断層撮影法やCTを追加せざるをえない。今回われわれは術後性上顎嚢胞症例にオルソパントモグラフィーを応用し,単純X線撮影法(Waters法)およびCTと比較検討した。その結果オルソパントモグラフィーは上顎洞後壁欠損と嚢胞の上顎骨歯槽突起内進展の診断に優れることを証明した。またオルソパントモグラフィーは多房性嚢胞の診断にも有用と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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