icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻5号

1989年05月発行

目でみる耳鼻咽喉科

真珠腫後遺症

著者: 中野雄一1 佐藤弥生1 高橋姿1

所属機関: 1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.338 - P.339

文献概要

 慢性化膿性中耳炎の後遺症として乾燥性鼓膜穿孔(鼓膜穿孔症)があるように,中耳真珠腫にも真珠腫病変が完全に排除され,それによる形態変化を残したまま治癒した状態,いわば真珠腫後遺症ともいうべき骨壁変形耳がある。これをどう呼ぶかは別として,これにはX線上,乳突部に含気蜂巣の認められるものと,ほとんど認められないものがある。後者での特徴を述べると,上鼓室側壁から一部外耳道後壁にかけて骨壁が大きく半円形状に欠けており,耳小骨もその輸郭を浮き彫りにしている。すなわち全体として半球状の組織欠損を示し,乳突方向への深い内陥はない。同様な所見は反対側にもみられ,多くはそこに真珠腫病変がなお残存している。両耳を比較すると,病変残存耳では一般に後壁方向への骨欠損が少なく,それだけ乳突方向への内陥が深くて広い。しかしまれには浅い内陥のみということもある。この場合含気蜂巣のみられることが多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら