文献詳細
文献概要
原著
抗腫瘍剤carmofurによる平衡障害症例の検討
著者: 室伏利久1 水野正浩2 二木隆2
所属機関: 1東京都立府中病院耳鼻咽喉科 2東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.359 - P.363
文献購入ページに移動近年,悪性腫瘍の化学療法の発展には著しいものがあるが,一部には平衡障害をはじめとする神経障害を副作用として惹起する薬剤も存在する。carmofur (1—hexylcarbamoyl−5—fluorouracil, HCFU)はOzakiら1)によって合成された5—FUのmasked compoundで,体内で徐々に5—FUを放出する経口の抗腫瘍剤であるが,中枢神経障害を惹起することが知られるようになってきた。われわれはcarmofurによると考えられた平衡障害3症例を経験したので,神経耳科学的所見を中心に報告する。
掲載誌情報