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文献概要
原著
Superfine fiberscopeにより診断しえた感音難聴に伴った耳小骨奇形の1例
著者: 山口秀樹1 木村仁1 舩坂宗太郎1
所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.551 - P.554
文献購入ページに移動I.はじめに
耳小骨奇形は多くは小耳症や鎖耳など外耳の奇形を伴うが,稀に耳介,外耳道,鼓膜は正常である例がある。そのような症例ではこれまでは診断確定のために試験的鼓室開放術が必要であった。試験的鼓室開放術から聴力改善手術に移行するのが大部分とはいえ,これは術後成績が予想できぬまま手術を行うことであり,症例によっては聴力改善手術が不可能であることもある。したがって患者の時間的・精神的負担は大きい。そのため外来で簡単にかつ安全に鼓室観察を行う方法が待ち望まれよう。われわれはこのほど直径0.6〜0.7mmという超微細ファイバー(superfine fiberscope,SFF)を開発し,耳管・中耳腔観察に応用してきた。今回,聴力検査上は高度の感音難聴を呈する症例にこのファイバーを用い,経耳管的に鼓室内を観察し併存する耳小骨奇形を発見しえたので,ここに報告する。
耳小骨奇形は多くは小耳症や鎖耳など外耳の奇形を伴うが,稀に耳介,外耳道,鼓膜は正常である例がある。そのような症例ではこれまでは診断確定のために試験的鼓室開放術が必要であった。試験的鼓室開放術から聴力改善手術に移行するのが大部分とはいえ,これは術後成績が予想できぬまま手術を行うことであり,症例によっては聴力改善手術が不可能であることもある。したがって患者の時間的・精神的負担は大きい。そのため外来で簡単にかつ安全に鼓室観察を行う方法が待ち望まれよう。われわれはこのほど直径0.6〜0.7mmという超微細ファイバー(superfine fiberscope,SFF)を開発し,耳管・中耳腔観察に応用してきた。今回,聴力検査上は高度の感音難聴を呈する症例にこのファイバーを用い,経耳管的に鼓室内を観察し併存する耳小骨奇形を発見しえたので,ここに報告する。
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