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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻8号

1989年08月発行

トピックス 顔面外傷

顔面軟部組織損傷に対する処置の基本的な問題について

著者: 楠見彰1 村上富美子1 荻野洋一1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学形成科学教室

ページ範囲:P.591 - P.598

文献概要

はじめに
 顔面は血行の豊富なところであり,比較的小さい裂傷であっても血液が顔面に流れると重大な出血に感じられやすい。このために患者や家族は外傷による出血があると不安に陥ることがあるが,ガーゼなどで丹念に血液を拭いて創の程度を明らかにすると,軽度な傷であることが多い。たいていの出血はしばらく圧迫していると止血してくる。また一見絶望的な組織欠損を思わせる創であっても,ジグソーパズルを組み立てるがごとくていねいに組織を元の位置へ戻していくと,欠損がわずかであることをよく経験する。広範囲の軟部組織損傷は交通外傷に合併することが多く,欠損もしくは創の方向性にはある程度の共通性がある。すなわち口唇縁や,外鼻孔縁,眼瞼縁がめくれるように皮膚が剥離していく。自動車のフロントガラスによる損傷では,頬部や額に上向弧状の傷を生じやすい(図1,2)。このような外傷に対して正しい診断と処置法を身につけることにより,術後の結果は十分満足いくものが得られる。
 ここでは基本的な顔面軟部組織損傷の処置方法について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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