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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻8号

1989年08月発行

トピックス 顔面外傷

顔面外傷とマイクロサージャリー

著者: 上田和毅1 波利井清紀2 山田敦2

所属機関: 1東京都立大塚病院形成外科 2東京大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.607 - P.614

文献概要

はじめに
 通常の顔面外傷ではマイクロサージャリーを必要とするケースはそれほど多いものではない。しかし重度の障害においてはしぼしば適応が生じ,大きな効果が発揮される。具体的には神経の縫合,耳下腺管の吻合,涙小管の吻合などのように微細な構造の修復に用いられるほか,顔面に大きな組織欠損が生じた場合にも血管柄付遊離組織移植としてマイクロサージャリーの技術が利用される。
 マイクロサージャリーは周知のごとく手術用顕微鏡下に手術操作を行う技術であり,形成外科領域では主として微小血管の吻合,funicular patternを考慮した緻密な神経の縫合に用いられてきた。前者は遠隔部の組織を血行を温存したまま移植するという血管柄付遊離組織移植の技術を成立させ,後者は神経の機能回復の飛躍的な改善をもたらした。今日マイクロサージャリーの応用は広範に及び,卵管の縫合,停留睾丸・胆道閉鎖症の治療など,臨床各科にわたってさまざまに利用されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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