文献詳細
トピックス 睡眠時無呼吸症候群
文献概要
I.はじめに
小児には上気道狭窄を起こす先天性・後天性疾患は,鼻腔から気管まで多数ある。このなかで覚醒時には呼吸障害がなく睡眠時に顕著になる呼吸障害は,鼻腔と咽頭の狭窄症の一部に限られる。新生児では覚醒時でも鼻呼吸しかできないから,鼻閉はapneaの原因になってもsleep apneaの原因にはならない。したがって小児では,呼吸障害のなかで睡眠時無呼吸の性格をはっきりさせておく必要がある。
小児で閉塞型睡眠時無呼吸を示す典型は扁桃アデノイド肥大である。小児の手術例の1/3〜1/2のは扁桃アデノイド肥大である。このなかには1〜2歳の若年幼児の症例も含まれる。この場合,手術の適応について医師間の意見は必ずしも一致しない。ことに1,2歳の肥大症例に対して当然すぐにも手術すべきであるのに,もう少し成長するのを待って手術するように勧める場合が耳鼻咽喉科医にも小児科医にもしばしばみられる。このような事例をみるにつけても,呼吸障害が慢性に続くとき全身に与える悪影響の理解が医師の間で充分なされていないと考えさせられる。小児の無呼吸症候群を理解することは睡眠中の呼吸と全身の関係が小児にとっていかに大切かを理解するに役立つ。無呼吸症候群は稀に起こる症例として軽視できない理由はそこにある。
小児には上気道狭窄を起こす先天性・後天性疾患は,鼻腔から気管まで多数ある。このなかで覚醒時には呼吸障害がなく睡眠時に顕著になる呼吸障害は,鼻腔と咽頭の狭窄症の一部に限られる。新生児では覚醒時でも鼻呼吸しかできないから,鼻閉はapneaの原因になってもsleep apneaの原因にはならない。したがって小児では,呼吸障害のなかで睡眠時無呼吸の性格をはっきりさせておく必要がある。
小児で閉塞型睡眠時無呼吸を示す典型は扁桃アデノイド肥大である。小児の手術例の1/3〜1/2のは扁桃アデノイド肥大である。このなかには1〜2歳の若年幼児の症例も含まれる。この場合,手術の適応について医師間の意見は必ずしも一致しない。ことに1,2歳の肥大症例に対して当然すぐにも手術すべきであるのに,もう少し成長するのを待って手術するように勧める場合が耳鼻咽喉科医にも小児科医にもしばしばみられる。このような事例をみるにつけても,呼吸障害が慢性に続くとき全身に与える悪影響の理解が医師の間で充分なされていないと考えさせられる。小児の無呼吸症候群を理解することは睡眠中の呼吸と全身の関係が小児にとっていかに大切かを理解するに役立つ。無呼吸症候群は稀に起こる症例として軽視できない理由はそこにある。
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