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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻9号

1989年09月発行

原著

上鼓室耳小骨骨性固着症とprimary mastoid cystの併発例

著者: 山岨達也1

所属機関: 1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.717 - P.722

文献概要

I.緒言
 手術の既往がなく乳突洞に嚢胞が発生するpri—mary mastoid cystは比較的稀な疾患とされ,成因としては慢性炎症,外傷,先天異常などが考えられている。症状はさまざまであるが,特徴的な臨床像に乏しく,巨大な嚢胞を形成するまで症状が出現せず,X線撮影により発見される1)ことも多く,また多くの報告では乳突蜂巣の骨破壊を伴うX線透過像が認められている。
 一方つち骨・きぬた骨と上鼓室との固着は,つち骨癒着症が代表的なものとして知られており,鼓室硬化症,中耳癒着症,耳硬化症の部分症状,先天性奇形,慢性炎症刺激による靱帯の骨化などが原因2)と考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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