耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻1号

1990年01月発行

原著

側頭骨fibrous dysplasiaの2症例

著者： 川島理¹ 川島秀夫¹ 伊藤文英¹ 亀井民雄¹

所属機関： ¹群馬大学鼻咽喉科学教室

ページ範囲：P.69 - P.74

文献概要

はじめに
　Fibrous dysplasia（線維性骨異形成）は，原因不明の慢性骨疾患であり，長管骨をはじめ全身の骨を侵すことで知られている。本疾患は頭蓋骨にも発生するが，側頭骨はそのなかでは比較的稀である^1）。今回我々は，側頭骨の腫脹，外耳道狭窄，難聴を主訴とする側頭骨のfibrous dysplasiaの2症例（monostoticとpolyostotic）を経験したのでここに報告し，文献的考察を加えた。