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症例特集 頭頸部腫瘍 I.頭部(聴器)
鼓室内へ進展した側頭骨錐体部髄膜腫の1例
著者: 村上信五1 高須賀信夫1 黒川浩伸1 善家喜一郎2 大田正博2 佐々木潮2 古谷敬三3
所属機関: 1愛媛県立中央病院耳鼻咽喉科 2愛媛県立中央病院神経外科 3愛媛県立中央病院病理
ページ範囲:P.803 - P.808
文献購入ページに移動側頭骨内で顔面神経を障害する腫瘍性疾患には,顔面神経自身から発生するものと,周囲組織から発生し,同神経を圧迫,浸潤して障害するものがある。前者の代表的疾患は顔面神経鞘腫であり,後者には聴神経腫瘍,真珠腫,glomus juglare tumor,血管腫,髄膜腫,くも膜嚢胞,あるいは悪性腫瘍の側頭骨浸潤,転移などがある。
今回,側頭骨錐体部に発生し,頭蓋内と鼓室内に浸潤,拍動性耳鳴,難聴などの聴器症状と顔面神経麻痺を主症状とした稀な髄膜腫の1症例を経験した。その病理診断には電顕的検索が必要であったので,症例の概要とともに病理診断法などに考察を加えて報告する。
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