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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻11号

1990年10月発行

トピックス 心因性難聴

学校健診の立場からみた心因性難聴

著者: 沖津卓二1 堀富美子2 佐藤直子2

所属機関: 1仙台市立病院耳鼻咽喉科 2宮城県医師会ヒヤリングセンター

ページ範囲:P.991 - P.995

文献概要

はじめに
 最近,小児の心因性難聴が増加していると言われている。その主要原因として,学校健診の聴力スクリーニング検査で発見される症例が多いことが指摘されている1)。確かに,学校健診ではじめて難聴を指摘され,純音聴力検査を通常の方法で行うと50〜60dBの感音難聴を示すが,本人は難聴を訴えず,日常の会話も普通の大きさの声で可能なことから,心因性難聴を疑われる子供が散見される(図1)。これらの子供の中にはいわゆる心因性難聴も存在し得るが,大部分は問診で原因が見当たらないもので,聴力検査の技術的な問題に起因している場合が多い。
 また,最近はABR検査が容易に行われるようになったため,上述のような子供にABR検査を施行し,反応閾値と純音閾値が一致しないと言うだけで,安易に心因性難聴と診断する傾向があるように思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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