icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻11号

1990年10月発行

原著

閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者における頭部X線写真上の顔面頭蓋骨計測値の検討

著者: 朝倉光司1 中野勇治1 新谷朋子1 秋田信人1 松田史明1 形浦昭克1

所属機関: 1札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.997 - P.1001

文献概要

はじめに
 睡眠時無呼吸症候群は,無呼吸の起こり方から中枢型,混合型および閉塞型の3型に分類される。そのうち後2者は,睡眠時の上気道呼吸補助筋の筋緊張の低下に加えて,上気道の解剖学的狭窄が大きな要因であると考えられている。すなわち,小児の閉塞型睡眠時無呼吸症候群(Obstruc—tive sleep apnea syndrome, OSAS)の多くがアデノイドや口蓋扁桃肥大を伴い,それらの手術的摘出によりOSASの症状が改善することは古くより知られていた1,2)
 成人症例の場合には,従来気管切開術が唯一有効な手術法であったが,1981年にFujita博士によって,軟口蓋咽頭形成術(Uvulopalatopharyngo—plasty, UPPP)が有効なことが報告されて以来,小児と同様に上気道の解剖学的狭窄がその原因の一つとして注目されるようになった3)。一方,「いびき」やOSASは,人間に特有な疾患であり,これには進化に伴った顔面頭蓋骨の形態学的な変化が関係していると考えられる。そこで今回,OSASを含めた「いびき」患者を対象にして頭部X線写真上の特徴を検索した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら