文献詳細
原著
難治性鼻出血に対する選択的塞栓術
著者: 柳絵里子1 川上登史1 結縁晃治1 藤本俊一郎2 藤本明子3
所属機関: 1香川労災病院耳鼻咽喉科 2香川労災病院脳神経外科 3藤本耳鼻咽喉科医院
ページ範囲:P.1081 - P.1084
文献概要
われわれが経験する鼻出血の殆どは出血部位に種々の腐蝕剤を塗布したり,高周波電気凝固などの簡単な止血処置が奏効する例が多いが,時に保存的な治療法では止血困難な難治性の鼻出血に遭遇し,症例によっては外頸動脈,顎動脈,前後篩骨洞動脈結紮術などの血管結紮術が必要となる場合もある。
一方では近年の血管内外科の著しい進歩によって選択的塞栓術が多数試みられ耳鼻咽喉科領域の疾患にもそれが応用されるようになってきた。今回われわれは特発性難治性鼻出血およびRendu—Osler-Weber病の症例にジェルフォーム(gelfoam),イパロン(ivalon),アパセラム(apaceram)の3種類の塞栓材料を用いて選択的塞栓術を試み良好な結果を得たので若干の文献的考察を加え報告する。
掲載誌情報