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原著
上咽頭アミロイドーシスの1症例
著者: 大前由紀雄1 北原哲1 西沢伸志1 池田真1 小倉雅実1 飯塚啓介1 井上鐵三1
所属機関: 1防衛医科大学校耳鼻咽喉科教室
ページ範囲:P.1193 - P.1196
文献購入ページに移動アミロイドーシスは,本来生体には存在しない糖蛋白を主とするアミロイド物質が,細胞間隙に沈着する原因不明の代謝性疾患であり,現在一般に用いられているCohenの分類によれば全身性アミロイドーシスと,限局性アミロイドーシスに大別される。全身性アミロイドーシスは,肝臓,腎臓などの重要臓器に多発し,極めて予後不良の疾患であるが,限局性アミロイドーシスは,頻度も少なく,ある特定の器官に限られ,再発を見ることも少ない比較的良性の疾患である。頭頸部領域におけるアミロイドーシスとしては,喉頭アミロイドーシスがよく知られているが,報告されているものは比較的少数であり,鼻腔・咽頭のアミロイドーシスはさらに少ない。今回,われわれは,上咽頭に限局した,腫瘤形成型アミロイドーシスを経験したので報告する。
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