文献詳細
原著
文献概要
はじめに
発声器官に器質的所見を認めない音声障害を機能性発声障害と総称し,そのなかで心因が関与すると推定されるものをとくに心因性発声障害とよんでいる1,2)。心因性発声障害には痙攣性発声障害,音声衰弱症,心因性失声症などがあり,小児では心因性失声症についての報告が多い。心因性失声症の心理的因子と喉頭鏡所見についての報告は多いが,音声について他覚的に記録,分析したものは少ない。今回われわれは,心因性失声症を呈した小児期の2女子例について,声帯運動をビデオに録画し,回復過程における発声機能をフォノラリンゴグラフで記録し,その経過を観察,分析したので報告する。
発声器官に器質的所見を認めない音声障害を機能性発声障害と総称し,そのなかで心因が関与すると推定されるものをとくに心因性発声障害とよんでいる1,2)。心因性発声障害には痙攣性発声障害,音声衰弱症,心因性失声症などがあり,小児では心因性失声症についての報告が多い。心因性失声症の心理的因子と喉頭鏡所見についての報告は多いが,音声について他覚的に記録,分析したものは少ない。今回われわれは,心因性失声症を呈した小児期の2女子例について,声帯運動をビデオに録画し,回復過程における発声機能をフォノラリンゴグラフで記録し,その経過を観察,分析したので報告する。
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