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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻3号

1990年03月発行

文献概要

原著

頸部原発の結節性筋膜炎の1症例

著者: 待木健司1 武山実1 原晃1 越智健太郎2 大橋徹2 草刈潤1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系耳鼻咽喉科 2聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.233 - P.236

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緒言
 結節性筋膜炎(Nodular Fasciitis)は1955年Konwalerが最初に独立した疾患として報告して以来多数報告されている1)。本症は筋膜より発生し腫瘍性の増殖を示すがfibromatosisの一型に分類される良性疾患である2)。主に四肢,特に前腕に好発するが頭頸部領域における発生も報告されている。病理学的に幼若線維芽細胞の増殖,核分裂像,および周囲への浸潤像など悪性を疑わせる所見を呈するため,fibrosarcomaとの鑑別が問題となることがある2)。臨床的にも急速な発育を示し,硬い腫瘤を触れることが多く悪性疾患との鑑別が必要である。
 今回われわれは後頸部に急速に発育する硬い腫瘤を認め,諸検査で悪性を疑われたが,全摘後病理学的検索により本疾患と判明した症例を経験したので画像,病理所見とともに文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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