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トピックス ダニとアレルギー
住居内のダニ類とその分布について
著者: 高岡正敏1
所属機関: 1埼玉県衛生研究所
ページ範囲:P.275 - P.281
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近年,アレルギー疾患は増加の傾向にあるといわれ,中でも住居内ダニ類との関係が注目されている。私は過去多くの方々と共に住居内ダニ類の生態調査を行ってきたが,その目的はアレルギー疾患の発症とダニとの関係を明らかにすることであった。また,その解明は本疾患の予防や治療を行う上で意義深いと考えられた。
このような視点から,臨床面でもアレルギー疾患の症状の改善を図るために,患者の生活態度の見直しや住環境の整備などの指導が行われるようになってきた。しかし,それらの基礎となっている住居内ダニ類の調査資料は意外に少ない。そのため,今までそれらの指導は感覚的あるいは経験的な部分に頼らざるを得ず,このような状態では指導する側はもちろん,される側も確信をもってその対策に当れない状況にあったと思われる。また,現在行われている画一的な患者への指導では,各患者にとって必ずしも的を得た対応であったとは言いがたい。なぜなら,各患者宅の住環境や患者の生活態度は一様ではなく,その状況はすべて異なっていると思われるからである。
近年,アレルギー疾患は増加の傾向にあるといわれ,中でも住居内ダニ類との関係が注目されている。私は過去多くの方々と共に住居内ダニ類の生態調査を行ってきたが,その目的はアレルギー疾患の発症とダニとの関係を明らかにすることであった。また,その解明は本疾患の予防や治療を行う上で意義深いと考えられた。
このような視点から,臨床面でもアレルギー疾患の症状の改善を図るために,患者の生活態度の見直しや住環境の整備などの指導が行われるようになってきた。しかし,それらの基礎となっている住居内ダニ類の調査資料は意外に少ない。そのため,今までそれらの指導は感覚的あるいは経験的な部分に頼らざるを得ず,このような状態では指導する側はもちろん,される側も確信をもってその対策に当れない状況にあったと思われる。また,現在行われている画一的な患者への指導では,各患者にとって必ずしも的を得た対応であったとは言いがたい。なぜなら,各患者宅の住環境や患者の生活態度は一様ではなく,その状況はすべて異なっていると思われるからである。
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