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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻4号

1990年04月発行

原著

内側型高位頸静脈球と頸静脈球憩室—その画像診断と臨床的意義

著者: 東野哲也1 河野浩万1 狩野季代1 森満保1

所属機関: 1宮崎医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.319 - P.324

文献概要

はじめに
 錘体骨底部において頸静脈球を納める頸静脈窩は,極めて解剖学的変異に富む部位であるが,なかでも臨床的に問題となるのが上方に拡大した頸静脈窩,すなわち頸静脈球高位と言われる状態である。この高位頸静脈球は進展方向により外側型と内側型に分類される。鼓室底から中耳腔内に進展し鼓膜所見で透見されたり鼓膜切開や外耳手術の際の大出血の危険性から古くより耳科医の関心がもたれていたものが外側型に当たる。
 これに対し内側型は錘体内側に突出するためX線学的検査なしではとらえられず,極めて稀なものと考えられてきた。しかし,断層撮影やCTの普及により頸静脈窩と内耳構造の位置的関係の把握が容易となった今日,内側型高位頸静脈球や頸静脈球憩室が種々の内耳障害に関与している可能性が指摘されつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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