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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻4号

1990年04月発行

文献概要

原著

多剤併用療法(ACP療法)が著効を示した声門上癌の1例—喉頭進展癌の集学的治療における癌化学療法の果たす役割について

著者: 川井田政弘1 福田宏之1 甲能直幸1 藤井正人1 田中寿一1 犬山征夫2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2北海道大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.325 - P.329

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はじめに
 喉頭癌の治療法の主体は放射線治療と手術である。早期癌に対しては放射線治療あるいは喉頭部分切除術が行われるが,進展癌では喉頭全摘出術が行われることが一般的である。
 今回,われわれは進展した声門上癌(stageIII)の症例を経験した。当初は喉頭全摘出術を予定していたが,術前に多剤併用による癌化学療法(多剤併用療法)を試みたところ,著効を示し,臨床的に腫瘍の消失をみたので,引き続き放射線治療を施行して一次治療を終了した。本症例を報告するとともに,喉頭癌治療における化学療法を組み入れた集学的治療について若干の検討を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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