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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻4号

1990年04月発行

原著

耳鳴の鍼治療—(第1報)客観的評価法による治療効果の判定

著者: 清下悦源1 瀬沼広幸1 仲西宏元12 佐々木和郎12 金光敏和1 橘正芳1

所属機関: 1明治鍼灸大学耳鼻咽喉科学教室 2東洋医学臨床教室

ページ範囲:P.351 - P.357

文献概要

はじめに
 耳鳴は,耳鼻咽喉科領域において比較的多く認められる症状の一つである。そのほとんどが当人のみにしか聴こえない自覚的耳鳴であり,大半が感音難聴に伴うものである。西洋医学領域では耳鳴治療は薬剤療法を中心に各種工夫されているが,その効果の程度,持続性,副作用等の点で未解決点も多い。一方,東洋医学領域においても既に古典「黄帝内経素問」に耳鳴は経絡の一つである少陽に関連するとの記載があり1),鍼治療は現在なお常用されている。しかし,二重盲検法では対象群との間に有意差なしとする報告もあり2,3),適当な治療法の確立にはなお工夫を要する段階と言えよう。そのためにはまず治療効果を客観的に捉える方法をみつけなければならない。
 一般に,感覚異常に対する鍼治療の効果の定量的判定は困難を伴うことが多く,耳鳴についても例外ではない。今回,われわれは耳鳴に対する鍼治療の効果を客観的にとらえることを目的として,いくつかの方法を導入,鍼治療の効果を判定し,その治療効果を確認することができたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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