文献詳細
原著
閉経後に退縮傾向を示した頸部Extra-abdominal desmoid tumorの1例
著者: 和田公平1 山本祐三2 高橋宏明2
所属機関: 1市立枚方市民病院耳鼻咽喉科 2大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.411 - P.414
文献概要
Extra-abdomillal desmoid tumorは病理組織学的には良性像を示すが,その腫瘍の性格は旺盛な浸潤性増殖を特徴とし,しばしば局所再発を繰り返すなど臨床的に悪性を思わせる経過をとることが知られている。他方desmcid tumorの発育に性ホルモンが関与することはすでにMusgrove1),Pack&Erhlich14)などの報告に述べられているが詳細については不明の点も多い。
今回著者らは頸部に発症したextra-abdominaldesmoid tumorの1症例を経験した。本症例は計4回におよぶ切除術と再発を繰り返すなど著明な増殖力を示し,制御には困難を極めたが,閉経を境に腫瘍の増殖が緩慢となり部分的に退縮傾向も認められた。desmoid tumorと性ホルモンの関連を支持する貴重な症例と考え報告する。
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