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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻5号

1990年05月発行

文献概要

原著

遊離植皮へのキチン膜(ベスキチン® W)の応用

著者: 大村正樹1 山本悦生1 磯野道夫1 広野喜信1 水上千佳司1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.429 - P.432

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はじめに
 遊離植皮を行う場合,植皮面を被覆する材料として,これまで多くのものが使用されてきた。しかし,いずれの材料を使用する場合でも,移植皮膚を確実に生着させるため,tie over sutureを必要とした。このため手術にかなりの時間を要するとともに,tie overの縫合糸による牽引のため,術後移植部の創痛を伴うことが多かった。
 今回,われわれは植皮面を被覆する材料としてキチン膜(ベスイチン® W ユニチカ㈱製)(ズワイガニ甲殻から抽出,精製されたキチンを繊維化して,不織布状としたものであり生体親和性,制菌性,吸水性などに優れているという特性がある)を用いることによって,このtie ovcr sutureをせずに移植皮膚を生着させることに成功したので,手術法を中心に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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