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原著
遊離植皮へのキチン膜(ベスキチン® W)の応用
著者: 大村正樹1 山本悦生1 磯野道夫1 広野喜信1 水上千佳司1
所属機関: 1神戸市立中央市民病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.429 - P.432
文献購入ページに移動遊離植皮を行う場合,植皮面を被覆する材料として,これまで多くのものが使用されてきた。しかし,いずれの材料を使用する場合でも,移植皮膚を確実に生着させるため,tie over sutureを必要とした。このため手術にかなりの時間を要するとともに,tie overの縫合糸による牽引のため,術後移植部の創痛を伴うことが多かった。
今回,われわれは植皮面を被覆する材料としてキチン膜(ベスイチン® W ユニチカ㈱製)(ズワイガニ甲殻から抽出,精製されたキチンを繊維化して,不織布状としたものであり生体親和性,制菌性,吸水性などに優れているという特性がある)を用いることによって,このtie ovcr sutureをせずに移植皮膚を生着させることに成功したので,手術法を中心に報告する。
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