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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻5号

1990年05月発行

文献概要

鏡下咡語

絶対音感と脳

著者: 宇野彰1

所属機関: 1江戸川病院リハビリテーション科言語室

ページ範囲:P.434 - P.435

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 絶対音感とは,楽音の絶対音声を瞬間的に知覚し得る聴覚という説明がもっとも一般的と思われる。簡単に言えば,聞いた音の採譜(楽譜にすること)や再生ができることである。あらゆる音の絶対音を知覚し得るという説明もあるが,たとえば釘を金鎚で打つ音は,正確に知覚し得たとしても,知覚し得たことを表現しようがない。その上たくさんのフォルマントがあるので,音響学の専門家でも首をひねるのではないだろうか。また,音名を言い当てることができる知覚という説明もあるが,半音のさらに半分の音では音名での表現のしようがないのでふさわしくないと思われる。
 いつごろから私に絶対音感が身についたのか自覚的には明らかではない。けれども小学校の高学年ではバイオリンで聞いた曲を同じ音高で弾いていたというから,その頃には絶対音感をもっていたことになろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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