文献詳細
原著
小脳膿瘍を併発した口腔底嚢胞の1症例—甲状舌管嚢胞の診断に関する考察
著者: 小山内龍一12 山根雅昭3
所属機関: 1都立神経病院神経耳科 2埼玉医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科 3東京大学分院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.507 - P.511
文献概要
甲状舌管嚢胞は胎児期の甲状舌管の遺残物であり,正中頸嚢胞という臨床診断名が示すとおり,前頸部正中に存在することが多いが,時には口腔底腫瘤として臨床症状をあらわして診断上問題になることがある。今回我々は小脳膿瘍を併発した口腔底嚢胞の1症例を経験したが,嚢胞壁の病理学的所見からは類表皮嚢胞の診断が妥当と思おれたものの,手術所見として嚢胞から舌骨につながる索状物があったため甲状舌管嚢胞の可能性もあると考えられたので,ここに甲状舌管嚢胞の診断に関する考察を含め,症例を報告する。
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