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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科62巻9号

1990年09月発行

トピックス 嗅覚障害

頭蓋内性嗅覚障害鑑別のための検査

著者: 上出文博1

所属機関: 1金沢大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.731 - P.734

文献概要

はじめに
 頭部外傷や脳血管障害にともなう頭蓋内性嗅覚障害は増加しつつある。とくに交通外傷や労働災害による嗅覚障害は,補償の対象となることから,頭蓋内性嗅覚障害に対する検査は重要になってきている。金沢大学医学部耳鼻咽喉科嗅覚外来の受診者をみても,16%が頭蓋内性嗅覚障害であるが(表1),嗅覚障害に対しては他の脳神経障害のようには十分な考慮が払われていないのが実状であり,嗅覚障害の合併にもかかわらず,積極的に嗅覚検査が実施されていないように思われる。
 さらに,嗅覚障害は鼻腔内の障害のみならず,頭蓋内疾患を示唆する一つの重大な症状のことがあるにもかかわらず,末梢性嗅覚障害との鑑別法は,聴覚や平衡覚のように確立されていない。そこで,頭蓋内性嗅覚障害の診断に統一された基準の検査法の普遍化が望まれることから,頭蓋内性嗅覚障害に対する検査の進め方について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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