文献詳細
原著
Blowout fractureの整復術後発生した眼窩内膿瘍症例
著者: 石塚鉄男1 木島則子1 韓東煕1 阿部和也1 小林武夫1 飯沼壽孝2
所属機関: 1JR東京総合病院耳鼻咽喉科 2東京大学医学部付属病院分院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.765 - P.768
文献概要
Blowout fractureは1957年にSmithら1)によって命名された,特異な発生機序,臨床症状を呈する眼窩壁骨折の一型である。治療は外科的整復が主体であり,経上顎洞的整復術あるいは経下眼瞼的整復術が行われている。後者の場合,眼窩内容物の再嵌頓防止のため,プレートを挿入することが多いが,術後プレートに起因する合併症を認めたり,眼球運動障害の改善を妨げる可能性が報告されるようになり2),近年プレートの使用は反省されている。我々は,Blowout fractureを経下眼瞼的にシリコンプレートを挿入して整復し,十数年後に二度にわたり眼窩内膿瘍を発生した症例を経験したので若干の考察を加えて報告する。
掲載誌情報