文献詳細
原著
上咽頭結核の1症例
著者: 西崎和則1 斎藤龍介1 金谷真1 時岡真美子2 安田英已2 浜家一雄3
所属機関: 1岡山済生会総合病院耳鼻咽喉科 2岡山済生会総合病院内科 3岡山済生会総合病院病理部
ページ範囲:P.35 - P.38
文献概要
結核死亡率は年々減少しているが,なお欧米と比べると依然高率である。結核死亡率の改善は,抗結核剤の開発,結核対策の推進,生活水準の向上などによる。しかし,感染源として公衆衛生上問題となる感染性肺結核患者は減少の程度が少なく,自然感染率の低下による免疫をもたない若年層の未感染者の増加による集団発生の問題を新たに提起している1)。耳鼻咽喉科領域においても依然結核は念頭において診察にあたる必要のある疾患である。われわれは右耳閉感を主訴とした46歳女性に偶然,上咽頭結核を発見したのでここに報告する。
掲載誌情報