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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科63巻1号

1991年01月発行

原著

Bruns-Cushing眼振が観察された第4脳室epidermoid cystの1症例—神経耳科学的所見の検討を中心に

著者: 中川肇1 渡辺行雄1 上田晋介1 安村佐都紀1 久保道也2 高久晃2

所属機関: 1富山医科薬科大学耳鼻咽喉科学教室 2富山医科薬科大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.59 - P.65

文献概要

 はじめに
 従来からBruns-Cushing眼振(以下,Bruns眼振)は聴神経腫瘍をはじめとする小脳橋角部の一側性の病変を示唆する神経学的サインとして有名である。また,近年のCTやMRIの画像診断やABR,GBST1)(galvanic body sway test以下,GBST)などの電気生理学的検査の発達により内耳道に限局する小さな聴神経腫瘍,いわゆるeartumorが診断可能になった。しかしながら初診時に第一次平衡機能検査の一つとして注視眼振検査を行い,その結果を踏まえて第二次の聴,平衡機能検査を施行することは重要なことと推察される。今回,私たちは回転性めまいを主訴とし初診時にBruns眼振がみられ,その後の検索で第4脳室から発生したepidcrmoid cystと診断された1例を経験した。さらにこの症例は反撥眼振(以下,rebound nystagmus),方向交代性下行性頭位眼振,下眼瞼向き頭位変換眼振がみられており,OKN,FFS (failure of fixation suppression test)にも異常所見が得られ,これらの所見は術後の経過と共に推移したのでその概要について報告する。さらに,私たちの神経耳科外来でみられた注視眼振,rebound nystagmus,Bruns眼振についてその頻度,責任病巣,原因疾患などについてデータベースシステムにより検索,検討を加え,若干の知見を得たので併せて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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