文献詳細
原著
診断困難であった喉頭癌の1症例—声門下原発か甲状腺原発か
著者: 藤田浩志1 折田洋造1 山本英一1 原田種一2 崔哲洵2 片桐誠2
所属機関: 1川崎医科大学耳鼻咽喉科 2川崎医科大学内分泌甲状腺外科
ページ範囲:P.797 - P.800
文献概要
喉頭病変の診断には,間接喉頭鏡,内視鏡,喉頭ストロボスコープによる喉頭の観察,分泌物,擦過物の細胞診,頸部X線検査などを用いるが,もっとも確実なものは,病変部位を拡大でき,確実に生検できるラリンゴマイクロ下の検査である。
しかし,多くの症例の中には,初回の診断が前癌性病変でないために安易に考えていると,突然増悪し,悪性病変として発見されることがある。
今回,筆者らは,ラリンゴマイクロドの生検では診断することができず,頸部腫脹,呼吸困難,発熱で発症した喉頭癌の症例を経験したので報告する.
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