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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科63巻11号

1991年11月発行

文献概要

特集 外来診療マニュアル—私はこうしている I.症状の診かた・とらえ方—鑑別のポイントと対処法

23.音声障害

著者: 久育男1

所属機関: 1京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.88 - P.90

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 音声障害とは
 音声障害は発声障害とも呼ばれ,元来声に異常がある病態を指す.そこで,音声障害を理解するためには声の異常とは何かを良く把握しておく必要がある.しかし,ある声が異常か正常かといった判断は非常に主観的なものであるということも事実である.たとえば声楽家が異常な声だと訴えても,医学的にはその声が異常といえないような場合をしばしば経験する.それでは臨床的に,声に異常がある病態とは何だろうか.それは声における4つの属性(高さ,強さ,音質,持続)のどれかに異常が生じた場合と考えられる.すなわち,声の高さの異常,声の強さの異常,音質の異常,そして声の持続の異常である.一般的に,喉頭の器質性疾患による異常は音質の異常として,一方,全身疾患に起因するものは声の高さの異常としてとらえられることが多い.声の強さの異常や声の持続の異常が音声障害の主症状となることは稀である.
 また,音声障害には,発声に際して伴う他の自覚症状(発声時の疼痛,声が出しにくいなど)をも含めて取り扱われることが多いことに留意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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