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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科63巻11号

1991年11月発行

特集 外来診療マニュアル—私はこうしている

II.外来治療の実際—私の処方

48.頸部放線菌症

著者: 吉田幸夫1

所属機関: 1福井医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.248 - P.249

文献概要

 放線菌症は,口腔内常在菌の一つであるActinomices israeliiの感染によって起こる慢性化膿性・肉芽性疾患であり,本菌の生息場所から多くは顔面・頸部に発生する.その中でも最もよくみられるのは歯根膜炎や抜歯部位の下顎部,外傷創などである.臨床的には緩慢に板状硬結を作り,炎症が表面に及ぶと皮膚の発赤をきたし硬度を増す.やがて軟化して多発性小膿瘍を形成し,ついで瘻孔を通して膿汁を排出する.病巣内あるいは膿汁中に菌塊(Druse)が認められることが特徴とされる.以前は難治性の疾患といわれていたが,抗生物質の出現以来予後良好となり,症例数も急速に減少した反面,定型的な病像を示すものが少なくなり,かえって診断が困難になった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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