文献詳細
原著
鍼治療が有効であった舌咽神経痛症例
著者: 仲西宏元12 佐々木和郎12 清下悦源1 瀬沼広幸1 橘正芳13
所属機関: 1明治鍼灸大学耳鼻咽喉科学教室 2明治鍼灸大学東洋医学臨床教室 3
ページ範囲:P.867 - P.872
文献概要
舌咽神経痛は1910年Weisenburg1)によって初めて症例報告がなされた。この症例は後に死後剖検により小脳橋角腫瘍による刺激症状として生じた症候性舌咽神経痛と診断された。原因のはっきりしない,いわゆる特発性舌咽神経痛については1920年Sicardら2)により報告されたのが最初である。
この神経痛の特徴は咽頭部,口蓋弓,扁桃部,舌根部,耳深部などの舌咽神経支配領域に誘発点を持つ,限局した反復性の激痛発作を主症状とすることにある。嚥下,会話,くしゃみ,咳,笑い,うがい,痰の喀出,歯を磨くことなどによって誘発される。
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