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文献概要
原著
単脚アブミ骨奇形と手術治療
著者: 星野知之1 芹沢泰博1 石崎久義1 岡良己2
所属機関: 1浜松医科大学耳鼻咽喉科 2帝京大学医学部耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.99 - P.103
文献購入ページに移動アブミ骨固着の原因としてもっとも頻度のたかいものは耳硬化症で,この治療法としてアブミ骨切除術(stapedectomy)が行われてきたが,近年stapedotomyないしsmall fenestra stapedectomyとよばれる術式が,内耳への侵襲が少ないことからより良い方法であるとされ1),広く行われるようになっている。固着した底板を全部除去せず,底板に小孔をあけてピストンを挿入するので,内耳に対する影響が少なく,聴力の結果もよい。
同じく伝音難聴があっても,アブミ骨の先天性固着の症例では,耳硬化症では適応とされない可動術(mobilization)が適応とされ,容易に授動できない時にアブミ骨切除術が行われる。厚い底板のときは,耳硬化症と同様にドリルでの開窓もすすめられており2),筆者らもほぼこの原則にしたがって固着症の手術を行ってきた。
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