icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科63巻2号

1991年02月発行

文献概要

原著

単脚アブミ骨奇形と手術治療

著者: 星野知之1 芹沢泰博1 石崎久義1 岡良己2

所属機関: 1浜松医科大学耳鼻咽喉科 2帝京大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.99 - P.103

文献購入ページに移動
 はじめに
 アブミ骨固着の原因としてもっとも頻度のたかいものは耳硬化症で,この治療法としてアブミ骨切除術(stapedectomy)が行われてきたが,近年stapedotomyないしsmall fenestra stapedectomyとよばれる術式が,内耳への侵襲が少ないことからより良い方法であるとされ1),広く行われるようになっている。固着した底板を全部除去せず,底板に小孔をあけてピストンを挿入するので,内耳に対する影響が少なく,聴力の結果もよい。
 同じく伝音難聴があっても,アブミ骨の先天性固着の症例では,耳硬化症では適応とされない可動術(mobilization)が適応とされ,容易に授動できない時にアブミ骨切除術が行われる。厚い底板のときは,耳硬化症と同様にドリルでの開窓もすすめられており2),筆者らもほぼこの原則にしたがって固着症の手術を行ってきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?