文献詳細
原著
診断困難であった上咽頭悪性組織球症の1例
著者: 立川拓也1 辻裕之1 岩井大1 友田幸一1 山下敏夫1 熊沢忠躬1 村上卓2 井上昇3
所属機関: 1関西医科大学耳鼻咽喉科 2関西医科大学第3内科 3関西医科大学中検病理
ページ範囲:P.129 - P.133
文献概要
組織球症(histiocytosis)の中には臨床的に強い全身消耗症状を呈し,病理学的に異型性のある組織球やその前駆細胞の腫瘍性に系統的増殖を示す疾患が存在し,悪性組織球症(malignant histio-cytosis以下,MHと略す)と命名されている。しかし現在でもなおその独立性,腫瘍性および細胞起源について多くの論議がなされている1)。今回我々は初期に耳閉等の上咽頭腫瘍症状を呈し,病理解剖によりはじめてMHと診断された稀な症例を経験したので報告する。
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