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原著
鼻腔・膀胱の悪性腫瘍を合併したWerner症候群の1例
著者: 山田弘之1 岡田英作1 金春順1 坂倉康夫1
所属機関: 1三重大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.139 - P.143
文献購入ページに移動Werner症候群は1904年ドイツの眼科医であるWerner1)によって初めて報告された遺伝性疾患であり,その特徴的体型と早期老化の諸症状が特徴とされる。本症候群の患者の平均寿命はその早期老化のため40歳代とされ,この点では予後不良であるといえる。また本症候群には悪性腫瘍が高頻度に合併することは有名で,一層予後を不良としている。
悪性腫瘍の合併例の報告は既に諸家によってなされており,特に悪性黒色腫の合併例の報告は比較的多い。今回われわれは鼻腔の悪性黒色腫を合併し,さらに以前に膀胱腫瘍の既往を持つ本症候群例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。
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