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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科63巻4号

1991年04月発行

原著

心因性反応を伴う経過を示した地方病性甲状腺腫の1例

著者: 千葉恭久1 丸山敬史1 古屋信彦1 楊福春1

所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.313 - P.317

文献概要

 はじめに
 甲状腺腫の発生誘因には,ヨード摂取量が極端に低下した環境下での生活や,ヨードが過剰に摂取される環境下での生活などが関与するといわれている1〜4)。さらに,ヨード摂取量の偏りが特定地域に限局し,かつ甲状腺腫が多く認められる場合,地方病性甲状腺腫と呼ばれることがある5,6)。われわれは最近,低ヨード摂取地域に長期間居住し甲状腺腫に罹患した患者を経験した。この患者は,甲状腺手術後に意識障害を伴う全身けいれん発作が出現し,その病態および発生要因の把握に苦慮したが,現在は比較的安定した生活が送れるようになっている。今回われわれは,この患者を通して,地方病性甲状腺腫および全身けいれん発作の病態を考慮する機会をえたのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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