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原著
CTによる過長茎状突起症候群の検討
著者: 和田哲郎1 草刈潤1 川島宣義2 木内宗甫2
所属機関: 1筑波大学附属病院耳鼻咽喉科 2筑波学園病院
ページ範囲:P.355 - P.359
文献購入ページに移動過長茎状突起症候群あるいはEagle症候群は咽頭粘膜に異常を認めないにもかかわらず咽頭異物感,嚥下痛,耳痛などを呈する疾患で,慢性の咽頭症状の患者の鑑別診断として忘れてはならない疾患のひとつである。
この疾患は扁桃洞の触診や単純写真で確認されるのが従来の一般的方法である1,2)。しかしながら,単純X線像においては解剖学的に下顎骨および歯の陰影と茎状突起は重なり易く,加えて,茎状舌骨靱帯骨化を不連続に伴うような症例3〜6)では正確な判読が必ずしも容易ではない。また,過長茎状突起は必ずしも症状を伴わないことが知られており,単に長さのみならずその走行と周囲組織の位置関係が症状発現に関与していると考えられている7)。
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