文献詳細
原著
早期より両側声帯運動障害が認められたShy-Drager Syndromeの1例
著者: 太田豊1 寺山善博1 小松崎篤2 廣瀬肇2
所属機関: 1東邦大学医学部耳鼻咽喉科 2東京医科歯科大学医学部耳鼻咽喉科 3東京大学医学部音声言語医学研究施設
ページ範囲:P.371 - P.375
文献概要
Shy-Drager Syndromeは,1960年にShyとDragerによって報告された1),起立性低血圧,屎尿失禁,発汗減少,陰萎などの自律神経症状を中心とし,筋固縮,振戦などの体性神経症状が加わった症候群であり(表1),病理学的には線条体,脳幹有色素核(赤核,黒質,青斑核),橋核,小脳皮質,オリーブ核などに変性,萎縮を認めることができる。
従来,OPCA型の小脳症状,パーキンソニズムに自律神経症状を合併した症候群として考えられてきたが,近年ではmultiple system atrophyの一型であるとする考え方が有力となっており,multiple system atrophy with autonomic failurと記載されることも多くなってきた。
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