文献詳細
原著
鼻腔発生の悪性リンパ腫の5症例
著者: 田矢直三1 石田稔1 野入輝久2 有賀秀治3 吉原渡4 伊藤信也4 阪本晴彦5 宇多弘次5
所属機関: 1大阪府立病院耳鼻咽喉科 2市立吹田市民病院耳鼻咽喉科 3大阪大学医学部耳鼻咽喉科 4市立吹田市民病院病理部 5香川医科大学第2病理学教室
ページ範囲:P.377 - P.382
文献概要
悪性リンパ腫は,ホジキン病と非ホジキンリンパ腫(NHL)に大別されるが,NHLは免疫学的検索方法の進歩によって,リンパ球由来の腫瘍であることが判明した。さらにT細胞,B細胞,あるいはその分化段階やサブセットを知ることができるようになった。モノクローナル抗体を利用することにより膜表面抗原を検索し腫瘍細胞の生物学的性状を知ることが可能であり,病態の理解および治療方針の決定などに応用できるようになりつつある。
鼻腔発生の悪性リンパ腫の多くはT細胞由来とされ,Waldayer輪に発生するリンパ腫の多くがB細胞性であるのとは対象的である。本論文ではわれわれの経験した市立吹田市民病院の5例の鼻腔発生NHLについて臨床的病理学的特徴を免疫組織学的検討の結果を含めて報告する。
掲載誌情報