耳鼻咽喉科・頭頸部外科63巻8号

1991年08月発行

トピックス 舌癌の治療

Stage Ⅲ，Ⅳ症例の治療

癌研究会附属病院の場合

著者： 鎌田信悦¹ 川端一嘉¹ 中溝宗永¹ 井上哲生¹ 高橋久昭¹ 内田正興¹

所属機関： ¹癌研究会附属病院頭頸科

ページ範囲：P.609 - P.616

文献概要

　はじめに
　頭頸部癌の治療法は近年の再建外科の発達で大きな変貌をとげた。今では上咽頭癌や頭蓋底浸潤を伴う上顎癌も手術の対象となり，「手術不能」の概念も時代とともに変わってきている。このようななかでこれまでの舌癌の治療法，すなわちT1，T2は放射線で，T3，T4は手術を行うという“常識”を考え直すことは有意義なことであろう。特に治療成績が低いT3，T4に対象を限定して，治療成績を向上させるには何をすべきか考えてみた。