文献詳細
原著
下咽頭梨状窩瘻により死亡した1例
著者: 北吉光1 佐藤武男1 吉野邦俊1 馬谷克則1 藤井隆1 伊藤聡1
所属機関: 1大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科,頭頸部外科
ページ範囲:P.653 - P.656
文献概要
下咽頭梨状窩瘻は1973年にTuckerとSkolnickが1)前頸部腫瘍の原因のひとつとして発表し,1979年にTakaiら2)がこれを急性甲状腺炎の原因疾患と位置づけてから年々報告例も増し,一般的に認識されるようになってきた。しかし報告症例のほとんどが若年者に限られ,高齢者における報告はほとんど見受けられない。今回われわれは若年時より左頸部の膿瘍形成,切開排膿を繰り返し,高齢となって膿汁と吐血の誤嚥により死亡した1例を経験したので報告する。
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