文献詳細
原著
喉頭蓋多形性腺腫の1症例
著者: 守田雅弘1 宮口衛1 酒井俊一2
所属機関: 1大阪船員保険病院耳鼻咽喉科 2香川医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.697 - P.700
文献概要
耳鼻咽喉科領域における多形性腺腫(以下,pleomorphic adenoma)はおもに大唾液腺,特に耳下腺に好発し1%〜6%の頻度で悪性像を呈することがあるといわれているが1),ほとんどが良性である。この他にも口腔内や咽頭,口唇部の小唾液腺由来と思われるpleomorphic adenomaの報告例はあるが,喉頭,特に喉頭蓋における報告例は極めて稀である。今回,著者らは初診時呼吸苦を主訴とし,声門を確認できなかったので悪性腫瘍との鑑別をも要した喉頭蓋原発のpleomorphicadenomaを経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
掲載誌情報