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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科63巻9号

1991年09月発行

原著

蝶口蓋動脈に仮性動脈瘤形成した反復大量鼻出血症例

著者: 矢野一彦1 小川雅浩1 辻久茂1 富田修一2 橋本邦雄2

所属機関: 1土浦協同病院耳鼻咽喉科 2土浦協同病院脳神経外科

ページ範囲:P.705 - P.710

文献概要

 緒言
 鼻出血は耳鼻咽喉科臨床上ごく日常的な症候であるが,時に大量の出血をきたし的確な診断と確実な止血処置が行われないと致命的な結果を招きかねない場合がある。大量鼻出血の原因のひとつに動脈瘤性鼻出血があるが,出血源となった動脈瘤は内頸動脈領域のものであり1),特に海綿静脈洞部周辺に発生し,後篩骨洞あるいは蝶形骨洞に穿孔破裂した例が多く報告されている。
 われわれは,外頸動脈領域である蝶口蓋動脈末梢に仮性動脈瘤を形成し,血圧上昇に伴い反復大量の鼻出血をきたし止血困難であった症例を経験した。この症例では仮性動脈瘤形成の原因となるべき頭部外傷や手術の既往がなく,動脈瘤の形成部位など他に例をみないため,その経過を報告し若干の考察を加える。また,外頸動脈領域の難治性鼻出血に対する治療法として選択的動脈塞栓術が出血部位の同定ならびに止血に極めて有用であったことを併せて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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