文献詳細
文献概要
原著
進行性両側性難聴を呈したびまん性転移性髄膜癌腫症の1症例
著者: 杉内友理子1 加我君孝2
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.731 - P.735
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突発性難聴は,比較的頻度の高い疾患であり,われわれも日常の診療の中でしばしば遭遇する。一般的には,中年に多い疾患であるとされているが,高齢者でも突然起こった片側性感音難聴が認められ,他の脳神経症状が認められなければ,とりあえず突発性難聴として対処される。しかし,確定診断にいたるには,他の疾患を除外する必要があり,時にそれが容易でない場合がある。最近われわれは,胃癌にて胃全摘の既往歴をもち,急に起こった左難聴・耳鳴で発症し,両側の難聴が次第に進行した,びまん性転移性髄膜癌腫症の1症例を経験したので報告する。
突発性難聴は,比較的頻度の高い疾患であり,われわれも日常の診療の中でしばしば遭遇する。一般的には,中年に多い疾患であるとされているが,高齢者でも突然起こった片側性感音難聴が認められ,他の脳神経症状が認められなければ,とりあえず突発性難聴として対処される。しかし,確定診断にいたるには,他の疾患を除外する必要があり,時にそれが容易でない場合がある。最近われわれは,胃癌にて胃全摘の既往歴をもち,急に起こった左難聴・耳鳴で発症し,両側の難聴が次第に進行した,びまん性転移性髄膜癌腫症の1症例を経験したので報告する。
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