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トピックス 副鼻腔のエアロゾル療法
副鼻腔炎術後のネビュライザー療法
著者: 横田明1 馬場駿吉2
所属機関: 1名古屋市立東市民病院耳鼻咽喉科 2名古屋市立大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.35 - P.40
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慢性副鼻腔炎手術の術後感染予防には抗生物質の全身投与が今や常識となっている。一方,細菌感染性の副鼻腔炎に対しては,抗生物質ネビュライザー療法が有効であることは,周知の事実である。しかし,術後感染予防としての抗生物質ネビュライザー療法に関する研究は未だ報告がない。ただし,この問題に対する認識はされている。手術後に各副鼻腔の排泄口が広く開放された状態においてエアロゾルは最も有効に局所に到達するので,術後のエアロゾル療法を進めるべきであると,内田は総説1)でのべている。
術後感染予防療法の評価については,症状の変化が手術の結果に由来するものか,感染子防療法に由来するものか,判断するのが困難である。だが細菌学的側面から評価することは可能であろうと考えられる。このたび,副鼻腔炎術後に抗生物質ネビュライザー療法を行い,術前,術後の上顎洞内の細菌叢の変遷を観察する機会が与えられたので,その概要を報告し,本療法の有効性につき考察する。
慢性副鼻腔炎手術の術後感染予防には抗生物質の全身投与が今や常識となっている。一方,細菌感染性の副鼻腔炎に対しては,抗生物質ネビュライザー療法が有効であることは,周知の事実である。しかし,術後感染予防としての抗生物質ネビュライザー療法に関する研究は未だ報告がない。ただし,この問題に対する認識はされている。手術後に各副鼻腔の排泄口が広く開放された状態においてエアロゾルは最も有効に局所に到達するので,術後のエアロゾル療法を進めるべきであると,内田は総説1)でのべている。
術後感染予防療法の評価については,症状の変化が手術の結果に由来するものか,感染子防療法に由来するものか,判断するのが困難である。だが細菌学的側面から評価することは可能であろうと考えられる。このたび,副鼻腔炎術後に抗生物質ネビュライザー療法を行い,術前,術後の上顎洞内の細菌叢の変遷を観察する機会が与えられたので,その概要を報告し,本療法の有効性につき考察する。
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