文献詳細
トピックス 内視鏡による診療・最近の進歩
文献概要
はじめに
内視鏡の最近の発達にはめざましいものがあり,耳鼻咽喉科領域でも広く臨床で利用され,きわめて有効な検査法となっている。種々の型の内視鏡が開発されているが,これまでのものは外径が約2〜7mmであり鼓室内の諸構造や病変を観察することができない。したがって鼓膜穿孔のない中耳疾患の診断は,機能検査,X線検査などの結果から推測するが,手術中に観察する以外に確かめることができない。針状鏡による鼓室の観察1〜3)も試みられているが,鼓膜に穿孔のない場合,鼓膜切開が必要となってくる。
われわれは以上のような点を考慮して,鼓膜穿孔のない症例に対し非手術的に鼓室内を観察できるファイバースコープ(superfine fiberscope;S.F.F.)の開発を試みてきた。そして,開発に当たっては下記のような条件を満たすようにした。
①鼓膜に穿孔のない症例が対象となるので,耳管経由で鼓室に到達できること。②内径約1.4mmの耳管内を通過させるため,プァイバースコープの外径がそれ以下であること。③軟性ファイバースコープであること。④非観血的であり,しかも比較的短時間で,終了する検査であること。
以上の点から,外径が0.6〜0.8mmで軟性のファイバースコープとそのシステムが開発された。これを用い,坐位局所麻酔下に鼻腔内から耳管を通り,耳管鼓室口より鼓室内の状態を観察することができた。ここでは,S.F.F.システムによる鼓室の観察方法,所見などについて述べることとする。
内視鏡の最近の発達にはめざましいものがあり,耳鼻咽喉科領域でも広く臨床で利用され,きわめて有効な検査法となっている。種々の型の内視鏡が開発されているが,これまでのものは外径が約2〜7mmであり鼓室内の諸構造や病変を観察することができない。したがって鼓膜穿孔のない中耳疾患の診断は,機能検査,X線検査などの結果から推測するが,手術中に観察する以外に確かめることができない。針状鏡による鼓室の観察1〜3)も試みられているが,鼓膜に穿孔のない場合,鼓膜切開が必要となってくる。
われわれは以上のような点を考慮して,鼓膜穿孔のない症例に対し非手術的に鼓室内を観察できるファイバースコープ(superfine fiberscope;S.F.F.)の開発を試みてきた。そして,開発に当たっては下記のような条件を満たすようにした。
①鼓膜に穿孔のない症例が対象となるので,耳管経由で鼓室に到達できること。②内径約1.4mmの耳管内を通過させるため,プァイバースコープの外径がそれ以下であること。③軟性ファイバースコープであること。④非観血的であり,しかも比較的短時間で,終了する検査であること。
以上の点から,外径が0.6〜0.8mmで軟性のファイバースコープとそのシステムが開発された。これを用い,坐位局所麻酔下に鼻腔内から耳管を通り,耳管鼓室口より鼓室内の状態を観察することができた。ここでは,S.F.F.システムによる鼓室の観察方法,所見などについて述べることとする。
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