文献詳細
原著
口蓋扁桃に転移をきたした肝細胞癌の1例
著者: 佐伯忠彦1 戸田茂2 藤田博2 田中仁2 森田弘毅2 曽我部仁史2
所属機関: 1真泉会今治第一病院耳鼻咽喉科 2真泉会今治第一病院外科
ページ範囲:P.747 - P.751
文献概要
頭頸部領域の悪性腫瘍は,そのほとんどが原発性であり,他臓器からの遠隔転移は比較的稀である。頭頸部に遠隔転移をきたす癌腫の原発部位としては腎癌,肺癌の順に多く,転移部位としては鼻・副鼻腔が最も多いとされている1〜3)。肝細胞癌の頭頸部領域への転移は稀であり,特に口蓋扁桃に転移した報告は極めて少なく,本邦で論文報告されたものは船井ら4)の1例のみである。
今回われわれは,原発性肝細胞癌が口蓋扁桃に転移した1例を経験したので,その臨床経過について若干の文献的考察を加えて報告する。
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